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債券と現金は何のため?NISAの株式投資を続けるための守り方
NISAで株式インデックス投資を始めると、「現金や債券を持つ意味はあるのか」と感じることがあります。長期では株式の期待リターンが高いと考えるなら、全部株式でよいのでは、という発想です。若くて安定収入があり、生活防衛資金も十分なら、株式比率を高める判断はありえます。ただし、家計には使う時期があります。
現金、いる?
タヌキ: 株だけでよくない?
資産配分を見て
1- 2
ラッコ: 来月の車検は?
- 3
タヌキ: 現金いる
- 4
ラッコ: 役割だね
結論|現金や債券は、株式より高いリターンを狙うためではなく、株式投資を途中で壊さないために持ちます。使う時期が近いお金は現金、数年先の支出やリスク調整には債券、10年以上使わないお金は株式中心、というように役割を分けると判断しやすくなります。
GPIFの基本ポートフォリオは、国内債券、外国債券、国内株式、外国株式を25%ずつとしています。これは個人の正解ではありませんが、株式だけでなく債券も含めて長期分散を考える例です。米国SECのInvestor.govも、資産配分、分散、リバランスの重要性を説明しています。
現金は、今日から数年以内に使うお金
現金の役割は、支払い能力です。生活防衛資金、家賃、住宅ローン、教育費、税金、車検、医療費など、使う時期が近いお金は、価格変動する資産に置きすぎないほうがよいです。
現金は物価上昇に弱く、長期では資産形成の主役になりにくい資産です。それでも、現金が薄い家計は、株式下落時に売却を迫られます。現金は投資の敵ではなく、投資を続けるための土台です。
お金の使う時期で役割を分ける例
仮例。実際の配分は年齢、収入、住宅ローン、教育費で調整します。
資産配分の考え方: INVESTORGOV-REBALANCING-2026、GPIF-PORTFOLIO-2025。
債券は、株式と違う値動きを期待する資産
債券は、国や企業にお金を貸す資産です。株式より値動きが小さいことを期待して組み入れられますが、価格が下がらないわけではありません。金利が上がると債券価格は下がりやすく、外国債券には為替リスクもあります。
それでも、株式と違う値動きをする資産を持つことで、ポートフォリオ全体の変動を抑えられる可能性があります。GPIFのような大きな資金が債券を持つのも、期待リターンだけでなく、リスク管理が目的です。
個人の場合、債券ファンドを持つか、預金や個人向け国債で代替するかは、金額、税制、使う時期、手間で決めます。債券という言葉だけで安心せず、中身を確認します。
すべて株式が合う人、合わない人
20代や30代で、安定収入があり、生活防衛資金があり、10年以上使わないお金だけを投資しているなら、株式比率を高くする選択は合理的な場合があります。人的資本、つまり将来の労働収入が大きく、短期の支出に備えられているからです。
一方、50代、教育費が近い、住宅ローンが重い、自営業で収入が不安定、親の介護が近い、退職後に取り崩しが始まる、といった家庭では、株式100%は心理的にも家計的にも厳しいことがあります。
株式比率は年齢だけで決まりません。使う時期、収入の安定性、家族構成、住宅ローン、生活防衛資金で決まります。
リバランスの相手としても役に立つ
現金や債券は、リバランスの相手にもなります。株式が大きく上がったときに一部を安全資産へ移す。株式が大きく下がったときに、余裕資金から買い増す。こうした行動は、最初に配分を決めているからできます。
ただし、下落時に買い増すための現金を持つことと、相場を当てようとして待つことは違います。生活防衛資金を超える待機資金をどこまで持つかは、機会損失も含めて考える必要があります。
口座ごとに役割を分ける
同じ株式投資信託を買うとしても、NISA、iDeCo、課税口座では役割が違います。NISAは運用益非課税で、途中売却もしやすい口座です。iDeCoは原則60歳まで引き出せないため、老後専用に近い口座です。課税口座は税金がかかる一方、NISA枠を超えた資産やリバランスに使えます。
現金や債券をどこに置くかも考えます。生活防衛資金は普通預金など、すぐ使える場所に置きます。数年後の教育費や車費は、価格変動の小さい形で分けます。長期のリスク調整として債券ファンドを持つなら、NISA内で持つか課税口座で持つか、期待リターンと非課税枠の使い方を比較します。
非課税枠は貴重ですが、すべてを高リスク資産で埋める必要があるわけではありません。家計の目的が守りなら、非課税枠の効率よりも、必要な時期に売れること、下落時に慌てないことを優先してよい場面があります。
守りの資産は、退屈でよい
現金や債券の役割は、話題性のある商品を探すことではありません。生活費を払える、下落時に株式を売らずに済む、教育費や住宅修繕に備えられる。そのための資産は、退屈なくらいでちょうどよいことがあります。
高い利回りをうたう債券、外貨建て商品、複雑な仕組みの商品は、守りに見えても別のリスクを持つことがあります。為替、信用、流動性、手数料、途中解約の条件を確認しないまま、預金の代わりに置くのは危険です。守りの資産は、増える期待より、必要なときに使える確度を優先します。
理屈っぽい人のための補足
資産配分は期待リターンと最大下落の組み合わせ
株式比率を上げると、期待リターンは上がる可能性があります。同時に、最大下落も大きくなります。
この式は厳密な最適化ではありませんが、積立額を感情ではなく金額で考える助けになります。リスク資産を1,000万円持つなら、40%下落で400万円の評価損です。そのとき教育費や住宅修繕で売らずに済むかを見ます。
債券も安全資産ではなく、値動きする資産
債券ファンドは金利変動で価格が動きます。外国債券は為替でも動きます。したがって、1年以内に使うお金を債券ファンドへ入れると、必要な時期に元本割れしている可能性があります。現金、個人向け国債、短期債券ファンド、外国債券ファンドは、同じ「守り」でも性質が違います。
守りの資産を選ぶときは、期待リターンより、使う時期と値動きの幅を優先します。株式投資を長く続けるためには、増やす資産だけでなく、売らずに済ませる資産が必要です。
参考・出典
- [GPIF-PORTFOLIO-2025] GPIF「基本ポートフォリオの考え方」(2026年6月4日確認)
- [INVESTORGOV-REBALANCING-2026] Investor.gov "Beginners' Guide to Asset Allocation, Diversification, and Rebalancing"(2026年6月4日確認)
- [CFPB-EMERGENCY-FUND-2026] CFPB "Determine your down payment"(2026年6月3日確認)